2013年度に起きた鉄道係員への暴力行為で、「60代以上」の加害者が最多となった。50代の加害者とあわせると43%以上にものぼる。
この結果に、ネット上では「納得」との声が多い。ツイッターでは「空港や駅でキレて騒いでいるのって、圧倒的に50~60代」との声もあり、鉄道以外でも60代による暴行・傷害事件は増えている。
「確かに駅トラブルは、オッサン多いかも」
JR3社や日本民営鉄道協会らは2014年7月7日、13年度の「鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況について」の統計を発表した。これは全国29の鉄道事業者で1年間に発生した暴力行為をまとめたものだ。
13年度に発生した鉄道係員(駅員や乗務員など)への暴力行為は760件だった。過去最多だった11年度の911件から、12年度の828件、そして今年と、着実に暴力行為は減少している。発生件数が多いのは月別では7月、曜日では土曜日、時間帯では深夜(22時~5時)だった。加害者の飲酒の有無は「飲酒あり」が57.1%で、11年度の57.7%、12年度の59.8%とほぼ横ばいだ。発生場所の統計では改札(39.7%)、ホーム(30.3%)、車内(16.2%)と続く。
加害者の年齢は「60代以上」が23.4%で、5年連続のトップとなった。ここ数年19~20%を行き来していたため、割合としては微増となる。2位の「50代」も前年度から2%増えた。両者をあわせると、中高年による暴力行為は43.4%にのぼる。
年配者によるトラブルは、日常でもよく見かけられるようだ。ツイッターでは今回の調査結果について、
「確かに駅トラブルは、オッサン多いかも」といった感想が出ている。
「分かりきってることじゃないの。駅とか電車内でマナーが悪いのは、50代60代あたり。混んでるエレベーターでも、我先に降りようとしたりね」
「空港や駅でキレて騒いでいるのって、圧倒的に50~60代が多いと思う。10~20代の若者は多少騒いだりすることがあっても、基本的にマナーがいい」
人口の4人に1人が「65歳以上」
60代の人口は増えつつある。第1次ベビーブームで生まれた「団塊の世代」(1947年~49年生まれ)は、2014年までに65歳を迎える。そのため2月現在の総務省「人口推計」では、「65歳以上」の人口が約3227万8000人にのぼった。前年同月から110万人以上増加していて、総人口の4人に1人以上が「65歳以上」になる。
年配者の暴力行為は、鉄道に限った話ではない。警視庁の「平成25年の犯罪情勢」によると、13年の暴行検挙数は、各年代のうち「65歳以上」だけが前年度より増加(1.0%)した。同様に傷害の検挙数も増え、前年比4.5%増となっている。