テレビアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 新編集版」(フジテレビ系)の第4話が放送されないことが2014年7月31日、公式ホームページ上で発表された。
長崎県佐世保市で起きた女子高生殺人事件を想起させる内容だったためとみられる。
公園にバラバラ遺体を「展示」
「PSYCHO-PASS サイコパス」は人類の心理状態や性格的傾向が数値化された近未来を舞台にした作品。犯罪者を捕まえる実動部隊となるも、自らが犯罪者となりかねない危険もある「執行官」と、そんな執行官を監視・指揮する「監視官」たちの姿を描いている。
「新編集版」は2012年に放送した第1期シリーズ全22話を1時間番組の11話に再編集したもので、7月10日から深夜枠でスタートした。
8月1日には第1期シリーズの第7話、8話にあたる内容が放送される予定だったが、前日の7月31日に「編成上の都合により休止とさせて頂きます」との告知が公式ホームページに掲載された。
アニメの公式ツイッターアカウントによると「内容的に現在放送するのにふさわしくないという判断」があったといい、1日は第5話を繰り上げて流すという。
突如「お蔵入り」となってしまった第4話は、女子高生による同期生殺害事件を描いたものだった。
物語は、1週間前から行方不明になっていた女子高生が公園で遺体となって発見されたところから始まる。遺体は頭部と両腕が切断された状態で「芸術作品」のように加工され、飾り付けられていた。
犯人は同じ全寮制の女子高等学校に通う少女だった。彼女はその後、同期生3人についても頭部などをバラバラにして「展示」。相手に恨みを持っているわけではないようで、殺人行為を楽しむような姿が印象的に描かれていた。
女子高生が同期生を殺害するという内容、殺害後に遺体の一部を切断するという描写から、佐世保の事件を連想する人も少なくないだろう。そうした事情から、番組側は放送の自粛を決めたようだ。
監督の塩谷直義さんは31日、「エンターテイメントを制作している以上は、時勢に関わらず放送して楽しんでもらえるモノを作り、皆様にお届けする。それが出来ないのは、ただただ監督の責任です。申し訳ありません」と謝罪ツイートを投稿している。