中国最高指導部の序列5位が協力を確約
韓国紙「中央日報」日本語電子版の7月25日付記事では、劉氏が韓国の議員団や、安重根映画の実現で中心的役割を担う「中韓親善協会」会長と会談した際に、中国指導部としては初めて正式に支援を約束したとなっている。劉氏は2002年から党中央の宣伝部長を務め、対外宣伝活動を担った。現指導部でも「事実上、習近平国家主席に次いで権力を持つ」(中央日報)超大物。このような人物が協力を確約したことで、映画化は「国家事業」とも言える一大プロジェクトとなるだろう。
安重根を巡っては2014年1月19日、中国黒竜江省ハルビン駅に「記念館」が開館した。韓国の朴槿恵大統領が中国を訪問した際、習主席に要望したことがきっかけとなり設置された。日本に対して「正しい歴史認識」を突き付けて足並みをそろえる中韓が、記念館に続いて今度は映画でアピールを強める。一方、日本政府は「安重根はテロリストであり、犯罪者」との立場を崩さない。
大物監督や有名俳優陣を続々と起用して制作される「安重根映画」が、いまだに修復の兆しが見えない日中、日韓関係の亀裂をますます深くすることになるかもしれない。