破たんした「レキオス」の飛行機は後にスカイマークで活躍
西久保社長は7月29日に開いた会見で、エアバス側の意図を、
「昨年(14年3月期決算)は赤字になったが、この赤字の中でそれだけ(A380の購入資金を)調達できるのかが不透明だったところに、向こうは非常に不安感を持っていた」
と推測する。過去には、航空機を航空会社に提供する側の意向が航空会社の存続を左右したケースもある。有名なのが、02年に国土交通省から航空運送事業許可を受け、03年6月に羽田-那覇線の開設を目指していた「レキオス航空」だ。ボーイング767-300ER型機をリースで調達することになっていたが、資本金の準備が進まずにリース会社のGEキャピタル・アビエーション・サービス社が契約を破棄。その結果、レキオスは航空運送事業許可の申請を取り下げ、民事再生手続きを申請したものの棄却され、結局は破産手続きが行われることになった。皮肉なことに、レキオス航空が使用するはずだった飛行機はスカイマークにリースされ、同社機として09年まで活躍した。
もちろん、16年にわたって運航を続けてきたスカイマークと、一度も営業飛行をしないまま破たんしたレキオスを単純比較することはできない。西久保社長も、
「かなり長期にわたっての弁済ということになるので、経営的にはさほど圧迫するものにはならないと考えている」
と話している。それでも、時価総額約200億円(7月30日終値ベース)のスカイマークにとって違約金700億円という額はあまりにも大きく、重大な局面にさしかかっていることは間違いない。