バラバラ殺人の9割は運搬、隠蔽目的だが…
未成年の加害者が殺害後に首などを切断したというケースは97年に起きた「酒鬼薔薇聖斗事件」(神戸連続児童殺傷事件)を除けば、ほとんど例をみない。
平伸二福山大学教授(犯罪心理学)は、
「日本のバラバラ殺人事件については、9割以上が運搬を容易にするためや証拠隠滅など、犯行の形跡を消すことが理由であるとの報告があります。しかし今回のケースは、切断も完遂せず遺棄や隠蔽も行っていない。隠蔽目的で切断し始めたが、精神的、肉体的、時間的労力がかかりすぎ、それを断念したといえるのかもしれません」
と指摘する。
隠蔽以外にも、パニック状態や怨恨から切断に及んだ可能性も考えられるが、平教授は現段階ではいずれも憶測の範囲にとどまり、真相に至るには警察の基礎捜査と検察の確認、弁護士を含む加害者側の聞き取りが重要になると話した。
女子生徒の動機については28日午後に「遺体をバラバラにしたかった」という趣旨の供述をしているとも一部で報じられているが、詳細は明らかになっていない。警察は2人のトラブルの有無とともに、当時の精神状態についても慎重に調べを進める。