監督復帰で「星野マジック」出るか 日本一チーム楽天、きっかけつかめば怖い

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「寝ている子が起きなければいいのだが…」

   大エースの田中がヤンキースに入団して抜けたことが響き、今シーズンの楽天はスタートから勝てなかった。

「ポスト田中」

   こう期待されたルーキーの左腕松井はコントロールがお粗末で、チャンスを生かすどころかチームの足を引っ張るありさま。

   星野監督の開幕戦から休養までの成績は19勝27敗の5位。

   佐藤代理監督は9勝14敗。

   大久保代理監督代行は8勝9敗。

   そして延べ4人目の復帰監督である。7月23日までの楽天は36勝50敗、勝率4割1分9厘の最下位。首位オリックスとは16ゲームも離された。

   すでに自力優勝の可能性は消えている。目指すは3位まで浮上し、クライマックスシリーズ出場。3位の日本ハムまで6.5ゲーム差だから、これはまだチャンスがある。当然、そこに焦点を当てての作戦を、星野監督は病院のベッドで考えていただろう。

   他球団が恐れるのは、勝負の世界ではちょっとしたきっかけで流れが変わる、というところだ。星野監督のようなカリスマ性のある人物は、そういう見えない力を発揮することが往々にしてある。

「なんといっても昨年の日本一チーム。潜在的な力は持っている。寝ている子が起きなければいいのだが…」

   他球団の監督たちはそう語る。イーグルがエサを求めて飛び立つのを警戒している。「星野マジック」がどうペナントレースを大荒れにするのか、注目したい。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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