台湾で48人犠牲の「ATR72」機 過去20年で今度が3度目の死亡事故

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   台湾で2014年7月23日夜、台湾南部の高雄から澎湖島の馬公に向かっていたトランスアジア航空(復興航空)GE222便が墜落し、乗員乗客58人のうち48人が死亡、10人が負傷した。墜落したのはフランスとイタリアの合弁企業、ATR社製の双発プロペラ機、ATR72-500型機(68~74人乗り)。

   実は、トランスアジア航空はATR72でトラブルを繰り返している。その数は20年で少なくとも7回にのぼり、そのうち2回は死者が出ている。今回の事故原因は調査中だが、ATR72機の整備や運航のあり方が問われることになりそうだ。

航路からそれて山地に激突、除氷に失敗して海に墜落…

トランスアジア航空のATR72(ATR社ウェブサイトから)。写真はATR72-600型機で、前身のATR72-500型機が墜落した
トランスアジア航空のATR72(ATR社ウェブサイトから)。写真はATR72-600型機で、前身のATR72-500型機が墜落した

   ATR72は主に米国や欧州の地方路線で活躍。カナダ・ボンバルディア社製のDHC-8型機や、「リージョナルジェット」と呼ばれる小型ジェット機に比べて騒音が少なく燃費が良い点が強みだとされている。今回墜落した飛行機は00年6月にトランスアジア航空に納入され、特段古いという訳ではない。

   ただ、日本の運輸安全委員会にあたる「飛航安全調査委員会」の統計によると、ATR72はこの20年で少なくとも7回の大きなトラブルを起こしている。そのうち2件が死亡事故だ。

   1995年1月30日には、馬公から台北・松山(ソンシャン)に向かっていたGE510A便が航路からそれて台北近郊の亀山郷の山地に激突。乗客は乗っていなかったが、パイロットら乗組員4人が死亡した。

   2002年12月21日には、台北・桃園からマカオに向かっていた貨物便のGE791便の翼に氷が付き、氷を取り除く作業に失敗して馬公の南西15キロの海上に墜落。パイロット2人が犠牲になった。

   乗員が負傷した事故も1件ある。05年7月19日には、花蓮発台北・松山行きのGE028便が、着陸後に滑走路を外れて照明灯に接触。乗員1人が軽傷を負った。

   残る4件はエンジントラブルだ。02年9月、13年7月にはエンジン火災を起こし。03年12月、12年5月にはエンジンに異常を示す機内の表示が出たことがわかっている。この4件ではけが人は出ていない。

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