「マック」か「マクド」か、新聞各社が使い分け 中国鶏肉報道「マクドナルド」略称に意外な地域差アリ

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   中国・上海の期限切れ鶏肉再加工問題で、なぜか新聞の「見出し」が注目されている。「上海福喜食品」から鶏肉を仕入れていた日本企業は、日本マクドナルドとファミリーマートの2社だとされるが、この「マクドナルド」をどう略すかで、マスコミ対応が割れた。

   関東を中心に普及している「マック」と、関西で当たり前の「マクド」。新聞の見出しは、同じ記事でも簡単に替えられるため、各社とも地域の実情に合わせた、なじみのある略称を載せているが、違和感がある人もいるようだ。

東京では「マック」か「マクドナルド」

東京では「マック」(左から毎日、朝日)
東京では「マック」(左から毎日、朝日)

   新聞に「見出し」は、なくてはならない存在だ。紙面の都合上、使える文字数は限られているため、いかに端的に表現するかが重要になる。そのため8文字も使ってしまう「日本マクドナルド」は、見出しとしては使いにくい。

   ジェイ・キャスト(東京・千代田区)に配達された2014年7月23日付朝刊は、

「マック、ファミマ販売中止 中国産ナゲット期限切れか」(読売新聞)
「中国から期限切れ鶏肉か マック、ファミマ 商品販売中止」(毎日新聞)
「マック、ファミマ ナゲット販売中止 中国から期限切れ?肉仕入れ」(朝日新聞)
「マクドナルド・ファミリーマート ナゲットを販売中止 上海から使用期限切れ鶏肉」(産経新聞)
「期限切れ鶏肉混入か マクドナルドやファミマ 中国の工場製 一部販売中止」(日本経済新聞)

といった見出しで、鶏肉問題を報じた。読売、毎日、朝日の三大紙が「マック」と略す一方で、産経、日経は「マクドナルド」と表現している。

   これはあくまで東京での話。「マック」より「マクド」が、略語として主流となっている関西圏のメディアでは、見出しも「マクド」になっている。23日付朝刊を調べてみたところ、

「マクド、期限切れ鶏肉か 中国から輸入 ファミマも」(京都新聞)
「中国から期限切れ鶏肉か マクド、ファミマ販売中止」(毎日・大阪本社版)
「鶏肉期限 半月超過も 中国・マクド納入会社 長年利用か」(朝日・大阪本社版)

のように、地方紙も大手紙も「マクド」と報じている。

「ファミマ」は東西共通だけど…

   過去の記事をさかのぼると、鶏肉問題以前から関西では「マクド」を紙面で使っていたようだ。しかし、新聞の1面にデカデカと「マクド」の3文字がおどることは少なく、関西在住者は「会話の中では普通になったが文字で見ると違和感!」「関東だとマック納入会社になってるのかしら」などと驚きのツイートをしている。また、

「新聞社も『マック』というより『マクド』というほうが国民にとってわかりやすいと思っているということです」
「『マクド、ファミマ販売中止』って書いてあるやん、なんだかんだ言って関東の人もマクドって呼び方認めてるのか」

のように、全国的に「マクド」と報じられたと早とちりしている人もいる。

   なおファミリーマートの略称は、東西ともに「ファミマ」だったが、抑揚は大きく異なる。関東では「ファ」「ミ」「マ」がすべて平坦だが、関西では「ミ」を強調する。同様に「マック」は平坦だが、「マクド」は「ク」が強くなる。

   関東では「マック」、関西では「マクド」と呼ばれるマクドナルドだが、一部では「マクナル」「マックン」「ドナルド」なんて略し方もあるという。日本マクドナルドは「どちらが正しいとかはありません」としているため、思い思いの呼び方をするのがよいだろう。

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