「警告書」「命令書」は年に数十件しか出ない
小畑氏は会見の中で、到着時にJALから「警告書」を手渡されたことを明かしている。
国土交通省令では、大きく8つある「安全阻害行為」(機内迷惑行為)のひとつとして「航空機内の秩序若しくは規律の維持に支障を及ぼすおそれのあるもの」を挙げており、今回のケースはこれにあたると判断されたようだ。
警告書は、安全阻害行為を繰り返したり続けたりしないように警告する内容で、仮にそれが守られない場合は、今後の搭乗を断ったりする可能性も触れている。CAの注意を聞かず、迷惑行為を続ける乗客に出されることが多いようだ。
JALが公表している「安全報告書」では、特に警告書については触れられていないが、同社が09年に首都大学東京で行った講義で、その一端が明らかにされている。講義資料によると、「警告書」が出された枚数は、06年から23件、07件が31件、08年が27件。航空会社によって基準は異なるようだが、一般的には警告書はCAの責任者の権限で出せるようだ。これに対して、さらに悪質な行為に対しては、機長の権限で「命令書」が出される。この件数は8件、13件、12件と推移している。JALは10年の経営破たんで事業規模を国際線は4割、国内線は3割縮小しており、今では命令書や警告書の枚数もそれに比例する形で減少しているとみられる。小畑氏がこの「警告書」を受け取ったということは、かなり「悪質度」が高かったということになる。
JAL広報部では「特にコメントはありません」と話している。