地方議会の議員のあり方に注目が集まる中、北海道議会の議員が国際線機内で他の乗客とトラブルを起こした上、客室乗務員(CA)に暴言を繰り返していたことが明らかになり、辞職した。
この議員は、航空会社から到着地で「警告書」を手渡されている。「警告書」の発行件数は年に20~30件程度で、かなり悪質なことを繰り返し行わないと発行されない。
道議はトラブルを陳謝した上で辞職したが、15年春に予定されている道議選への出馬については明言を避けている。
後ろの客から「リクライニングを上げてくれ」と言われ激高
トラブルの責任を取る形で辞職したのは、自民党・道民会議の小畑保則道議(65)。小畑氏は2014年7月22日に開いた会見で、
「このたびの案件につきましては、私のいわゆるモラルの失態、失墜だと思っている。大変道民の皆さんの信頼をなくし、議員の仲間のそれぞれの皆さん方にも、大変ご迷惑をおかけした。大変申し訳なく思う」
と頭を下げた。
小畑氏は欧州連合(EU)の農業・環境政策を調べるための同議会の海外調査団(8人)の一員として渡欧し、往路の機内で問題を起こした。一行は7月13日、成田発フランクフルト行きのJL407便に搭乗。離陸から3~4時間が経過したシベリア上空でトラブルは起きた。
小畑氏は、機内で水やお湯で割ったウイスキー3杯、焼酎1杯を飲んでいたといい、トラブルについて、このように説明した。
「後ろの乗客から『リクライニングを上げてくれ』という話があった。それで私も、自分でお客さんに聞けばよかったのだが、憤慨して、乗務員の方に『どうして席を上げなきゃなんないんだ』と…(クレームをした)」
一行はエコノミークラスに乗っていた。フランクフルト線のエコノミークラスの背もたれについているディスプレーのすぐ左にはUSBの接続端子がついており、そこからスマートフォンの充電ができる。乗客は充電端子を使うために小畑氏に声をかけたのだが、小畑氏は激高してCAにも矛先を向け、暴言を吐いたわけだ。小畑氏は
「JALさんの今までの経過だとか、一回倒産していますから、そういったことを踏まえて、いろんなサービス面だとかの罵声を発した」
などと釈明した。
後ろの席の乗客に対しては罵声を浴びせた上にこぶしを構えて殴りかかるような仕草をし、前の席の乗客がシートを倒していることについてもCAに対応を求め、再びCAと口論になったという。