顧客情報の大量流出が問題となった通信教育大手「ベネッセホールディングス」が利用客に対する「謝罪業務」を派遣会社に「外注」していたと朝日新聞デジタルが2014年7月22日に報じた。
派遣会社から募集案内が届いたという元派遣会社員の証言を元に「謝罪外注」の実態を批判的に伝えているのだが、緊急事態の窓口対応とあってインターネット上では「仕方ないのでは」との見方も少なくない。
「迅速な対応として、致し方ない」
記事によると、この元派遣社員は情報流出の発覚まで新規会員の勧誘を行っていたが、ベネッセが流出を発表した9日に派遣契約を打ち切られたらしい。その2日後、派遣会社から専用フリーダイヤルに対応する仕事の募集メールが届いた。
募集は9日に派遣契約を打ち切られた人を対象にしたもので、時給は1100円。12日には謝罪の仕事についてネット上で口外しないよう注意喚起するメールも送られてきたという。
記事では「個人情報は漏れないから安心して、と言って勧誘してしまい、傷ついているところに、謝罪の仕事を回す企業感覚が信じられない。謝罪も派遣にやらせるなんて、倫理観がない」という元派遣会社員の怒りのコメントを紹介。
また「人件費削減のために使っている派遣社員に、人手が足りないから会社としての謝罪窓口をやらせるのでは、信頼性に疑問を持たれかねない」という企業のリスク管理に詳しい大学教授の意見も掲載し、謝罪業務さえも「外注」に頼るベネッセの企業姿勢を問題視する論調を示した。
ベネッセの情報流出は、これまでに判明した分だけで約2300万件にものぼっている。顧客情報を繰り返し持ち出していた外部会社派遣社員の犯行に半年も気づかなかったベネッセの責任は当然重い。
とはいえ「謝罪外注」については「やむを得ない」という意見も少なくないようだ。報道を受け、インターネット上には、
「現実問題。無理があるでしょう社内でやるのは」
「迅速な対応として、致し方ないことだと思うけどなぁ。派遣であれ、ベネッセの一員として対応するわけだし」
「状況考えたら社員で対応しきれる訳ないからやむを得ないし難癖付けすぎ」
「日常業務をこなす暇がなくなっても、不眠不休で社員が対応しろと?」
といった反論も多々寄せられている。