佐村河内守さん(50)の「ゴーストライター」として一躍有名になった現代音楽家の新垣隆さん(43)が、2014年2月の謝罪会見以来久々に公の場に姿を現した。
それも「週刊文春のテーマ曲」を「ニコニコ生放送」で披露する、という意外な組み合わせで、楽曲の完成度の高さもあってか、ネットユーザーは大いに盛り上がっていた。
「週刊誌記者の張り込みの緊張感、焦燥感、高揚感」をイメージ
ニコニコ生放送では14年7月19日18時から、23時間ぶっ続けの企画「ニコニコ23時間テレビ」を放送している。目玉企画の1つとして告知されていたのが、新垣さんの「交響曲『HARIKOMI』披露」だ。
新垣さんが2月に週刊文春で「佐村河内さんのゴーストライターだった」と告白した縁で、編集部が6月のニコニコのイベントで作曲を依頼した。
「新垣さんの作曲家としての新たなスタートに際して、お願いがあります。ぜひ『週刊文春』のテーマ曲を作曲していただきたいのです。タイトルは『交響曲HARIKOMI』。週刊誌の記者にとって、『張り込み』は最も重要な日常業務のひとつです。人目を避けながら、取材対象が現れるのを息を潜めて待ち続ける――。その緊張感、焦燥感、そしてターゲットに直撃する時の高揚感をイメージした曲をぜひ作っていただきたいのです。鮮烈でインパクトのある超絶カッコいい曲!を心待ちにしております」
新垣さんの快諾から約1か月後、ついに「交響曲HARIKOMI」のお披露目となった。19日20時過ぎ、「23時間テレビ」に満を持して新垣さんが登場。ジャズの九重奏と弦楽四重奏のメンバーを率い、「70年代の刑事ドラマの要素を盛り込んだ」というジャズテイストの楽曲を約10分間にわたって披露した。途中、女性が登場して「ちんどん」を見せるパートや、ピアノがメーンのしっとりしたパートもあり、色々な曲調で視聴者を楽しませた。
「ボカロ曲に挑戦」も示唆
コメント欄やツイッター上では、生放送を視聴していた人から「かっけえ」「聞いてて展開にワクワクしたし、楽しかった~」「神曲誕生の瞬間である」「CD出たら保存用と視聴用2枚買います」など絶賛の書き込みが相次いだ。演奏が終了すると、拍手を表す「8888888888」というコメントが画面にあふれた。
なお、「交響曲HARIKOMI」は新垣さん本人が「ニコニコ内での二次創作」を許可していて、ニコニコ動画には早速「HARIKOMIの音源と車載動画を組み合わせて張り込み現場へ向かうような雰囲気を出してみた」という一般ユーザーの投稿動画もアップされている。
さらに新垣さんは生放送で「今後ボーカロイドでの作曲に挑戦する」ことも示唆していて、新垣さんへの注目はますます高まりそうだ。