先々には不安要因も
もちろん、TV番組に助けられただけではなく、宅配サービスやドライブスルー、テイクアウト窓口の積極導入で販路を拡大した効果が現れたほか、10年ぶりの大幅なメニュー改定で「海の幸カレー」「チーズインハンバーグカレー」などの新商品が人気を呼んだことも売り上げ増に貢献。「トマトアスパラカレー」「たっぷりあさりカレー」といったかつての人気メニューを復活したことも効果があったようだ。
ただ、先行きには不安要素もある。人手不足の進展による人件費上昇や、エビやチーズ、豚肉などの食材価格上昇が経営の圧迫要因となりそうだからだ。壱番屋はこれらの情勢を踏まえ、2015年5月期の業績予想について、営業利益が前期比2.7%減の42億円、経常利益が2.5%減の43億円と発表した。しかし売上高は1.0%増の430億円、店舗の減損処理が一服するため純利益も8.9%増の26億円と、ともに過去最高を更新する見通し。
壱番屋は2015年5月期から、国内外の店舗戦略もジワリと変える。主力の「CoCo壱番屋」の国内店舗数は閉店数が出店数を上回り、前期末比で4店少ない1225店となる。「純減」は今世紀に入って初めて。一方、国外は「純増」数が期末比で37店に上って計160店となり、中国や東南アジアを中心に海外展開を加速させる。マレーシアとフィリピンには初出店し、海外進出エリアは10か国・地域になる。
餃子の王将は「アメトーーク!」によるブーム一巡後、業績が伸び悩んでいる。ココイチが「アメトーーク!」による客足向上を経営に生かせるか、外食業界で注目されている。