韓国での「日本人差別」10年ほど前だった 「あの時そうなら、もっと酷いのでは」
アルピニストの野口健さんに聞く

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一部の人の言動かもしれないが…

――では、いずれも10年以上前のことについて、なぜ今になってわざわざツイートしたのですか?

野口 韓国が日本人観光客の激減に危機を感じて日本で誘致イベントをしたという読売新聞のニュースを見たからです。このニュースを見てあの体験を思い出して呟いたわけですが、これほど色々な意味で関心をもたれるとは思いもしなかったです。しかし、これだけ様々な意見が寄せられるということは韓国に対する日本人のフラストレーションがたまっているのかなとも感じます。また、10年前よりも対日感情が悪化している中で、今の方がより大変な状況になっているかもしれないと。韓国からの露骨な日本バッシングが続いています。最近ではロッテホテルで毎年やっていた自衛隊の行事が、抗議が相次いで直前にキャンセルされたというのは、大変なことです。いつだったか都内のホテルで日教組の会合が予定されていてホテル側によってキャンセルされた事がありましたが、確か裁判でホテル側が負けた様に記憶しています。ホテル側がキャンセルするという事はそれだけ大変なことなのです。ツイッターにも呟きましたが、ごく一部の人の言動だと思いますが、旅で受ける印象は良くも悪くも大きい。韓国にプライベートで行くとき、嫌な思いをしてまで行きたくなるでしょうか? むしろ、受け入れる側の韓国の国内でこそどうやって減少した日本人客を取り戻すかとイベントをやったほうがいいのではないかと思います。

――反日感情の強い韓国では、イベントはできないのでは?

野口 でも、日本人を歓迎しますと、彼らは彼らの中で努力しないといけないと思いますよ。それに韓国に親友も沢山いますが、日本人の事を好きな人も多いです。旅行でのインパクトは強いのです。ネット上では今回、韓国人に対してかなりきつい反応もたくさん寄せられています。中には読むに耐えないほど韓国人に対する偏見もありました。日本人は長年がまんしてきましたが、どこかでプッツリと切れてしまったところもあると思います。心配なのはその反動が日本全体を極端な方向に向かってしまう事です。それと僕の呟きも大人げなかったとも反省しています。

【野口健さんプロフィール】
1973年、米ボストン生まれ。父親は外交官だった。日本では小学校の途中まで通い、中高はイギリスで過ごす。勉学に熱中できず、学校からはドロップアウトしたが、旅先で故植村直己氏の著書に感化を受け、登山を始める。モンブラン、キリマンジャロなどを次々と制覇し、亜細亜大学に通いながら、25歳で7大陸最高峰登頂の最年少記録を打ち立てた。その後は、山のゴミ問題に心を痛めて、エベレスト、富士山などで清掃登山をしている。最新刊「世界遺産にされて富士山は泣いている」(2014年6月、PHP新書)など著書多数。

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