「大隈先生も草葉の陰でお嘆きだろう」
この報告書が公表されると、専門家や識者の多くがこれを問題視してツイッターやブログに見解を寄せた。
東北大学大学院医学系研究科教授の大隅典子氏は17日、自身のブログで「同大学の学位認定基準について、大きな疑問を持たせる結果になったことはとても残念」と指摘した上で、
「これは当該大学のみならず、全国の学位取得者や、これから学位を取得しようとする方々が提起すべき大きな問題だと思います。さらに言えば、日本の『博士号』という資格が世界でどのようにみなされるかという質保証の問題です」
と訴えた。
サイエンスライターの佐藤健太郎氏はツイッターで「この決定で早稲田が失うものは膨大なものになるくらい、わからない人たちであるわけがないだろうに」と指摘した上で「いったい何を守ろうとしてこういう結論になったのだろうか」と疑問視する。
東大理学部教授のロバート・ゲラー氏は「小保方氏の学位を散り消すとしたならば、他にも100件も取り消す必要が生じたかも。憶測ですが、それを避けたかったのでは」との見立てを示している。
サイエンスライターの内田麻理香氏は「大丈夫か早稲田…。これ、大学の信頼を一気に失うよ。まともな人は早稲田で博士号どころか学士号もとりたくないと思うだろう、信頼されないから」「大隈先生(編注:大隈重信)も草葉の陰でお嘆きだろう」などとツイートし、早大の今後を案じた。
インターネット上には早大OB、OGからの嘆きの声も投稿されており、調査委の判断は今後も余波を広げそうだ。
報告書を受け取った鎌田薫早稲田大学総長は「報告書の内容につきましてはこれから早急に精読した上で、委員会の報告結果を十分に尊重しながら、本学としての対応を決定してまいりたいと存じます」とのコメントを出している。