マイクロソフト過去最大の1万8000人削減 「ビル・ゲイツ流」脱却し大胆な構造改革へ

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これまでMSが手を付けられなかった点の変革に着手

   米ウォールストリートジャーナル(WSJ)日本語版2014年7月17日付の記事によると、「ビル・ゲイツやスティーブ・バルマーら前任者は大規模な人員削減よりも小規模な調整を好んだが、前例にとらわれず慣習を打ち破った格好だ」と評した。

   ナデラCEOは7月10日付で、MSの全社員に向けて手紙を送付。決算発表が行われる7月22日をめどに、「2015年度に我々がすべきこと」を明らかにすると予告していた。これを「人員削減発表」ととらえた専門家は少なくなく、地元紙「シアトルタイムズ」ではアナリスト予想として最低6000人という数字を挙げていた。ところが実際はその3倍に達する大幅削減となったわけだ。

   全体の7割にあたる1万2500人は、2013年に買収を発表したフィンランドの携帯電話会社ノキアの従業員だ。この点、WSJが興味深い点を指摘している。7月18日付の日本語版記事によると、バルマー前CEOが主導したノキアの買収に、ナデラCEOはもともと反対だったようなのだ。スマホではアップルの「アイフォーン(iPhone)」、グーグルのOS「アンドロイド」を搭載した韓国サムスン電子の「ギャラクシー」をはじめとする端末に対抗して「ウィンドウズフォン」を投入しているが、ノキアを手に入れてからも「2強」の対抗軸とはなり得ていない。ノキアの縮小は、今後のMSのスマホ戦略に影響しそうな決定だ。

   先述の従業員宛の手紙には、こんな記述がある。

「根底では、マイクロソフトは生産性とプラットフォームの企業である」

   これは、バルマー前CEOが掲げた「デバイス(機器)とサービスの会社を目指す」という路線を変更するともとれる内容だ。シアトルの放送局「Q13 FOXニュース」の記者は、「今回は単なるコスト削減策ではない。ナデラCEOは、これまでMSが手を付けられなかった点の変革に着手すると表明している」と述べ、業務の合理化、マネジメント改革、事業のスピードアップの実現を望んでいると話した。MSにとっての「失われた10年」からの脱却と、アップルやグーグル、フェイスブック、アマゾンといった企業に対抗できる企業体質に成長するために、この機会を逃してはならないとナデラCEOは考えているのだという。

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