マイクロソフト過去最大の1万8000人削減 「ビル・ゲイツ流」脱却し大胆な構造改革へ

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   米マイクロソフト(MS)が1万8000人の人員削減を発表した。同社創業以来最大の規模となる。

   2014年2月にMSトップに就任した、サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)が大胆な構造改革に乗り出したのだ。スマートフォン(スマホ)事業でライバルに水をあけられ、苦戦続きのMSにとって復活ののろしとなるか。

「社員が年をとり過ぎてエネルギーがない」と転職

MSは「新路線」にかじを切るのか
MSは「新路線」にかじを切るのか

   「過去最大の人員削減」の発表に、MSのおひざ元である米シアトルのメディアは現地時間2014年7月17日早朝からトップニュースで伝えた。「1万8000人」という数字は大きな驚きだったようだ。

   地元テレビ局「KOMO4」(ABC系)は、シアトル郊外のレドモンドにあるMS本社で、勤務歴4年というインド出身の男性技術者に取材。朝、突然上司に呼び出されて解雇を告げられ、「ショックだった。動揺している」と落胆を隠さない。米国での就労ビザはまだ有効だが、母国に帰るという。ただ、本社で削減対象となったのは1351人で、全体の1割に満たない。FOX系の「Q13 FOXニュース」の担当記者は、「アマゾン・ドット・コムほかシアトルのIT系企業は好調で地元経済も底堅く、企業の採用意欲は旺盛。この人数であれば十分吸収できる」と説明した。

   基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」や業務ソフト「オフィス」を軸に、ソフトウエアの巨人として長年君臨してきたMSも、近年はスマホ事業で米アップルやグーグルの後塵を拝している。頼みのOS事業も、パソコン市場が世界的に停滞するなか、仕様を大胆に変えて2013年に投入した「ウィンドウズ8」がいまひとつ力不足だった。会社としての存在感は薄れつつある。

   J-CASTニュースは、シアトル在住の女性に取材した。「MSに勤務していた知人の多くは、既に別の会社に転職しています」と話す。その理由として「大きくなりすぎた」「社員が全体的に年をとり過ぎていてエネルギーがない」という点を挙げた人もいたそうだ。世界的な有名企業とは言え、地元で「MS信仰」と呼べるようなものはないという。

   MSでは2014年2月、2000年から経営の指揮をとってきたスティーブ・バルマー氏からナデラ氏にCEOが交代した。会長を退いた創業者のビル・ゲイツ氏やバルマー氏の路線を引き継ぐか、独自の道を進むか注目されたが、今回の大規模な人員削減は「ナデラ流」を出すための布石とも言えそうだ。

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