「民間機なのは100%間違いない」 ウクライナ情報機関、武装勢力の通話を公開

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   アムステルダム発クアラルンプール行きのマレーシア航空MH17便(ボーイング777-200型機)が2014年7月17日夜(日本時間)消息を絶ち、ウクライナ東部ドネツク州の国境付近に墜落しているのが確認された。乗員乗客298人の生存は絶望的だ。

   何者かによって撃墜されたことが確実視されているが、ウクライナの情報機関は、「たった今、飛行機を撃ち落とした」などという通話の内容をユーチューブ上に公開した。この通話は親ロシア派の武装勢力とロシアの情報機関のメンバーの間で行われたとされ、ソーシャルメディアでも激しい「空中戦」が展開されている。

ウクライナ軍機と誤ってマレーシア機を撃墜?

ウクライナの情報機関が公開した動画。親ロシア派の武装勢力の通話を傍受したとしている
ウクライナの情報機関が公開した動画。親ロシア派の武装勢力の通話を傍受したとしている

   マレーシア航空機が墜落したドネツク州では、ウクライナ軍機がしばしば武装勢力によって撃墜されている。そのため、武装勢力はウクライナ軍のAN26型輸送機と誤ってボーイング機を撃墜したとの見方が出ている。

   親ロシア派の武装勢力リーダーやロシアの情報機関メンバーの通話内容をウクライナの情報機関が傍受し、公表した。

   動画は3つの部分に分かれており、最初の部分では親ロシア派の武装勢力リーダーが

「たった今飛行機を撃ち落とした」

と述べると、情報機関は「パイロットはどこだ」と尋ね、武装勢力は「墜落した飛行機を捜索し、写真を撮りにいったところだ。煙が上がっているのが見える」と応じた。

   動画に添えられた説明によると、「墜落現場を検証後、テロリストは民間機を撃墜したことを断定」。「メジャー」「グレック」と名乗る2人の男のやり取りが収録されている。これが動画に収録された2番目の会話だ。

「飛行機はペトロパブロフスカヤ鉱山近くの空中でバラバラになった。『200(死者を意味する暗号)』がいる。最初の200を発見。民間人だ」
「状況はどうなっているのか」
「民間機なのは100%間違いない」

「武器はないのか」「全然ない。医療用品、タオル、トイレットペーパー…」

   墜落現場に到着し、墜落機の状況が明らかになるにつれて、焦りの色が濃くなっていく。

「ここにあるのは、毛布の一部、椅子、遺体」
「武器はないのか」
「全然ない。医療用品、タオル、トイレットペーパー…」
「書類はあるか」
「ある。ひとつはインドネシアの大学生のものだ」

   動画の3番目の会話には、別の男2人による会話が収録されている。民間機を誤って撃墜したことをロシア側が非難したのに対して、武装勢力が開き直って反論しているようにも理解できる。

「(墜落したのは)旅客機だ。多くの女性や子どもの遺体がある」
「テレビでは、ウクライナの輸送機『AN26』のようだと言っていたが、機体には『マレーシア航空』と書かれていた。ウクライナの領空で何をやっているのか」
「じゃあ、彼らはスパイを乗せていたんだ。こんなところを飛ぶべきではない。ここでは戦争が起こっているんだ」

   ウクライナ政府は撃墜への関与を否定しており、動画の公開を通じて「マレーシア航空機はロシアが撃墜した」という印象を国際社会に印象付ける狙いがあるとみられる。

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