「証言を鵜呑みにした検察や裁判所がおかしい」
この判決については、ネット上では、「疑わしきは被告人の利益の原則無視かよ」「一審はこれでよく有罪にしたな」と批判の声が強い。つまり、証拠もないのに女性の言い分だけで断罪するのはおかしいのではないかということだ。
男性教諭の弁護を務めた池末彰郎弁護士は、取材に対し、罪に問うのは無理だと強調する。
「車載カメラで左手が確認できない時間帯は、バスが揺れていたわけで、吊り革につかまっていたと考えるのが普通だと思います。女性はそのとき、男性の右前方に立っており、14秒間しかないのに、左手でお尻を触ることは難しいはずですよ」
女子高生は当初、教諭が手でお尻を触ったとだけしていたのに、裁判の後半で指が2本、あるいは4本触ったと証言が変わったのもおかしいと言う。バスが揺れているときに2人はぶつかっており、リュックが当たったのを勘違いしただけなのではないかと言っている。
東京高裁の河合健司裁判長は判決で、弁護側の主張を受け入れ、教諭は左手でずっと吊り革をつかんでいたとも認められるとし、女子高生が勘違いしていた疑いが残ると指摘した。
今回の裁判について、池末弁護士は、こう言う。
「女子高生は、思った通りに言っただけで、勘違いしたのは、ある程度仕方がないでしょう。しかし、それを鵜呑みにした検察や裁判所は、やはりおかしいと思っています」