集中力問われる実験のため「リハビリ期間」必要
理研広報室に聞くと、「勘を取り戻す作業」が必要な理由のひとつとして、小保方氏が論文不正問題以降入院し、今も体調が万全ではないこと、また実験から離れてブランクが生じていることを挙げた。
同時に、研究自体が相当細かな作業を伴うという。細胞を扱ううえで、例えば試験管を用いる際も手先の微妙な加減が求められる。手の動きひとつひとつに非常に神経を使うそうだ。研究者でも、しばらく実験から遠ざかっていれば器具を使う訓練が必要だと説明する。ただでさえ集中力が問われる細胞実験だが、小保方氏は今も百パーセント健康ではないだけに、ある種の「リハビリ期間」が必要なのだろう。
とは言え、小保方氏に与えられた時間はたっぷりあるわけではない。検証実験は2014年11月をめどに結果が公表される。これに対して、小保方氏が本格的に実験をスタートするにあと1、2か月かかると見られている。一刻も早く「勘」を取り戻さないと、時計の針ばかりが進んでいくことになってしまう。