NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」が放送開始から半年で、視聴率がV字回復の勢いを見せている。それは、ドラマ展開にある仕掛けがあったからだった。
岡田准一さん「本能寺の変」演技に称賛の声
2014年7月13日放送の「軍師官兵衛」は、織田信長が明智光秀の謀反で討死する「本能寺の変」の回だった。ネット上では、岡田准一さん(33)ふんする黒田官兵衛が狼狽する豊臣秀吉にチャンスを説く演技に、こんな称賛の声も相次いだ。
報道によると、この日の視聴率は、関東で17.5%に達し、28回の放送のうちで3番目に高かった。ドラマの舞台となった関西では22.1%にもなり、初回1月5日の23.0%に次ぐ数字となった。「軍師官兵衛」は、5月4日には関東で12.3%と視聴率が最低に落ち込んでいた。関西でも14.9%に留まった。それだけに、スポーツ紙などでも、「V字回復」と大きく取り扱われた。
視聴率が回復傾向を見せ始めたのは、6月1日の放送で官兵衛が武将による幽閉から救出されたときからだった。官兵衛が真っ直ぐな若者から影のある策略家へと脱皮し、「軍師」として飛躍していく。ネット上では、「幽閉後から官兵衛の黒さが増してきてますます面白くなってきた」などと書き込まれており、その展開ぶりが視聴率のアップにもつながったらしい。
岡田さんは、「主役としてギリなぐらい悪い顔をしている」とインタビューに答えており、大河では珍しい設定だとも報じられている。
放送評論家の松尾羊一さんも、官兵衛の幽閉中などは地味なシーンが連続していたとし、それが面白い展開に変わったことで見る人が集まり出したとみる。