「ジュリー」の愛称で知られる歌手の沢田研二さん(66)が、公演中にしたコメントが話題になっている。「あっかんべー」をもじって、「あっかん、アベ―」と安倍政権を批判するような発言が飛び出した。
ネットでは「これが昭和ギャグか」「全く面白くない。もうジュリーの面影ない」などと書き込まれている。
「あの妖艶だったころの面影なし」
2014年7月13日、沢田さんは全国ツアー「三年想いよ」を東京・渋谷公会堂でスタートさせた。日刊スポーツの記事などによると、「辞めてしまおうかなと思ったけど、危なっかしい時代だから、ちゃんと歌わないといけない」と言って、「あっかん アベー(安倍)」と大声で叫んだ。「麻布十番の『あべちゃん』(居酒屋)は好きだけどね」と続けて笑いをとったという。
報道を受けてネットでは、従来のイメージから様変わりした沢田さんについて、
「この人も堕ちたな。。。あの妖艶だったころの面影なし。思想も見た目も」
「これで上手いこと言った気になってドヤ顔してるかと思うともう痛々しさしかない」
といった批判が相次いだ。
沢田さんは1960年代にグループサウンズ「ザ・タイガース」のボーカルとして活躍し、1971年にソロ活動を始めてからは「勝手にしやがれ」「カサブランカ・ダンディ」などのヒット曲を連発した。中性的なルックスが特徴で若い女性ファンも多く、ヌード写真集も出している。
ところが最近は大きく活動のスタイルを変え、脱原発などのメッセージを発信するようになった。2012年3月、東日本大震災をテーマにしたCD「3月8日の雲~カガヤケイノチ」を出したほか、山本太郎氏が同年12月の衆院選に出馬した際、応援演説に駆け付けたこともあった。
「今の芸能人はみんなが『いい人と思われたい症候群』」
今回の公演では最新アルバム「三年想いよ」収録曲に加え、脱原発ソング「F・A・P・P(フクシマ・アトミック・パワー・プラント)」を披露し、憲法9条をテーマとした「我が窮状」を9番目に歌った。
こうした活動についてネット上では批判だけではなく、「ジュリーを応援するため、『三年想い』購入します」「自分の意見をはっきり表現するアーティストがたくさん出てきて欲しいです」と賛同するファンも一定数いるようだ。
政治的メッセージを伝える歌を発表するようになった沢田さんは何を考えているのか。2014年3月3日の毎日新聞で沢田さんは以下のように述べている。
「人には得手不得手がある。僕ができるのは、まあ売れないだろう歌を歌い続けること。もし大手レコード会社に所属していたら震災や原発にかかわる曲は発表できなかっただろう」
「マスコミに過剰な情報を流して無理に振り向いてもらっても何にもならない。好感度ランキングがやたら大事にされて、今の芸能人はみんなが『いい人と思われたい症候群』になっている。こういう雰囲気が嫌いなんだよ」