「日本では金融教育が貧弱」との指摘
金融庁内では「実際に投資に使われている口座はまだ3割程度しかなく、業界はもっと努力すべきだ。制度拡充は時期尚早」(幹部)との声が多い。しかし、発足当初から「内閣支持率に直結する」として株価を重視してきた安倍晋三政権だけに、NISA拡充に並々ならぬ意欲を示している。
ただ、制度が拡充されれば若者や初心者の投資が増えるとは限らない。「日本では金融教育が貧弱」との専門家の指摘は多い。非正規雇用の増加などで、若者が投資に回すだけの収入を得られていないという問題もある。「貯蓄から投資へ」の流れを加速させるには、制度拡充だけでなく、政権が腰を据えて取り組むべき課題が山積している。