SIMロック解除の義務化でiPhoneどうなる? スマホ「大手3社の寡占」は崩れるか

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「2年縛り」も見直し対象に

   解除を巡って今後、焦点となりそうなのが、大手3社が扱う国内一番人気のiPhoneの扱いだ。アップルは販売ノルマを課しているとされており、各社ともにSIMロック解除で端末の販売が減れば、ノルマを達成できない恐れがあることから、iPhoneのSIMロック解除への激しい抵抗が予想される。現時点で全端末がSIMロック解除の対象になるかは判然としていないが、国内シェアトップのiPhoneが対象外ともなれば、解除を義務化する意味は薄れてしまう。

   他方、中間とりまとめ案はSIMロックとともに利用者の囲い込みに一役買ってきた「2年縛り」といった期間拘束のある契約の見直しにも言及。総務省はこれらを見直して競争環境を整備し、格安スマホ会社の参入や料金の引き下げなどにつなげたい考えだ。そこでは、通信回線を大手から借りてサービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)がどこまで伸びるか(現行のシェは3%程度)がポイントになる。まさに、「最も重要なのは乗り換えが進むかどうかでなく、消費者の選択肢が広がることだ」(総務省筋)。

   これに対し、携帯各社はSIMロックが解除されるとビジネスモデルの大転換を迫られるだけに「消費者に解除のニーズはない」と乗り気でない。2年縛りという長期契約だからこそ販売奨励金を原資にキャッシュバックや端末の実質0円を実現できたとの思いが強く、「もし、ロック解除されれば販売奨励金を抑制せざるを得なくなり、端末価格が高くなるおそれがある」と主張する。

   国内市場は既に成熟し、携帯大手の料金やネットワーク品質、サービスなどに大きな違いはみられなくなっているとして、「他社へと乗り換えるメリットはなく、ロック解除は無意味だ」との声が聞こえるように、3社寡占体制にどっぷり浸っている市場。SIMロック解除で、こうした厚い壁に風穴が開けられるか。総務省と携帯大手との綱引きの行方が注目される。

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