JR貨物「眠気防止の観点から認めている」
実際のところはどうなっているのだろうか。
JR貨物に取材したところ「運転中の喫煙は内規としても認めています」とのこと。運転台には灰皿が付いているそうで、同様にガムを噛んだり、飲み物を飲んだりしてもいいそうだ。
とはいえ、許可しているのはあくまで「眠気防止」のためであり、「運転中の喫煙を積極的に推奨しているわけではありません」という。
JR貨物の運転士は深夜や早朝に運転することも多く運転時間も長い。いわば長距離トラックのようなものだ。旅客列車を優先するために、しばらく停車して退避することも少なくないだろう。同じ運転士と言っても通常の旅客用列車の運転士とはかなり労働状況が異なる。
今回の騒ぎで初めて貨物運転士が喫煙できることを知った人たちからは「いいな」「タバコ吸えるし接客しなくてすむしめっちゃ天国やな」などという皮肉まじりの声もちらほら出ていたが、睡魔との戦いは、それはそれで大変なのだろう。
2002年8月には広島県福山市の山陽線を走行していた貨物列車が、運転士の居眠りのために上り坂で停車後、約500メートルを逆走。2007年8月には、東海道線を走行していた貨物列車が同じく運転士の居眠りによって自然停車したあと約500メートルを逆走している。
ちなみに、同じく長時間にわたって操縦をしなければならないパイロットはどうなのか。JALに聞いてみたところ「操縦中の喫煙は一切認めておりません」とのことだった。