人気漫画「ワンピース」の韓国で初となる展示会が開催直前になって、一方的に中止を言い渡された。複数の韓国メディアが報じた。
展示会場となっていた戦争記念館側が、作品中に「旭日旗」が描かれていることを理由に挙げているという。
企画や準備に数十億ウォン
2014年7月10日の韓国のYTNなどによると、戦争記念館(ソウル特別市龍山区)で12日から開催予定の「ワンピース特別企画展:メモリアルログ頂上決戦完結編」が中止になりそうだ。同展は日本で実施している等身大フィギュアの展示イベントを、韓国で初めて行う公式企画だった。主人公・ルフィの船「サニー号」をはじめ、ワンピースの世界観を再現する。企画・制作を韓国企業が主に担当している。
ところが、開催3日前になって戦争記念館側が、企画会社に中止を通告した。漫画の中に「日本帝国主義の象徴」である「旭日旗」が描かれているとして、韓国で物議を醸していることを受けた決定だ。「几帳面に原作漫画の内容を調べていなかった」と記念館側は説明した。一方、主催者側は企画や準備に数十億ウォンがかかり、すでに販売したチケットもあるとして反発している。
韓国ニューシースの報道によると9日午後、戦争記念館側が「問題化したくない」と言って展示中止を伝えた。主催者側は「正常な開催のために多くの点で努力したいが、今となっては容易ではないようだ」と説明している。
ワンピースは単行本の世界累計発行部数が2013年に3億4500万部を突破し、韓国のファンも少なくない。韓国では漫画が販売されているだけでなく、2003~2007年にはKBSでアニメ版が放送された。