元産経新聞ロンドン支局長でイギリス在住ジャーナリストの木村正人さんが、NHKの女性記者15人が退職することが分かったとブログで明かし、本当なのかと関心を呼んでいる。
木村正人さんは、「特ダネ」だとして、2014年7月7日にブログを更新した。
「大量退職に報道局幹部も首をひねっている」
それによると、女性記者15人もの大量退職は、7月の異動に合わせてのものだという。退職について、木村さんは、「NHKは他のメディアに比べて女性記者の割合も多く、出産・育児を支援する社内制度も整っており、大量退職に報道局幹部も首をひねっているそうだ」と書いた。
退職の理由については、書かれていないが、木村さんは、「取材の最前線では女性記者も男性記者と同様、朝駆け夜討ちを強いられ、超過勤務が日常的になっている」と指摘した。そして、「NHKは女性記者の働き方を見直した方が良い」と提言した。
さらに、木村さんは、NHKの籾井勝人会長が就任時の慰安婦発言で大騒ぎになったり、経営委員の長谷川三千子氏が人口減対策として「性別役割分担」を強調したりしたことを取り上げた。NHKの新入女性社員の間では、長谷川氏の発言に衝撃が走ったと指摘したが、安倍晋三首相寄りとされるNHK人事と女性記者大量辞職とは無関係かもしれないとしている。
木村さんのブログ記事は、ブロゴスやヤフーニュースでも掲載され、反響を集めている。ブロゴスでは、閲覧数ランキングのトップにも入った。
「記事にある、ご指摘のような事実はありません」
ネット上では、NHK女性記者の大量退職情報について、「マスコミ業界も、もはや花形ではなくなったのでしょうか」「安倍様報道に偏向してしまったNHKに嫌気が差したんだろう」などと憶測が飛び交っている。
一方で、ボーナスは6月に支給されるのが一般的なことから、それに合わせてたまたま人数が多くなったのではとの指摘もあった。「男女同権と、仕事の向き不向きがあるのを一緒くたにしちゃいかん」との意見も出ている。
共同通信編集委員の竹田昌弘さんは、木村正人さんのブログ記事に対し、ツイッターで「NHKの人によると、退職理由はさまざまという」と報告を寄せた。
NHKの広報局では、J-CASTニュースの取材に対し、「記事にある、ご指摘のような事実はありません」と木村さんの情報を否定した。具体的にはどこが違うのかなどについては、「職員のプライバシーに関わる面もあり、お答えできません」とコメントした。なお、NHKの取材記者の数は、2014年度は1123人だとしており、15人の退職なら1%強の割合になる。