ハリケーン被害の恐怖も脳裏に?
グリエル選手がこれほどまで不安を訴えた背景には、台風に関する認識の違いがあったとも考えられそうだ。
キューバのあるカリブ海はハリケーンの中心的な発生地として知られる。アメリカ南東部を襲い1800人以上の死者を出した「ハリケーン・カトリーナ」は記憶に新しいが、キューバも当然のことながら毎年ハリケーンの被害を受けているだろう。その点を考慮すると台風8号接近のニュース自体が、グリエル選手の目にはかなり恐ろしいものに映っていたのかもしれない。
台風接近時の一般的な乗客の反応はどうかというと、台風が頻発する日本では航空会社の判断に対する信頼もあるのか、それほど怖がる人はいないようだ。国内大手航空会社の20代客室乗務員は「台風が接近している際は大体May return(出発港に戻る可能性のあるフライト)がかかるので、揺れの事よりもちゃんと到着できるかどうかを心配される方が多いですね。巡行高度に達すれば台風が来ていてもほとんど揺れはありませんから」と話す。
とはいえ飛行機恐怖症に苦しむグリエル選手にとっては大問題だ。不参加については本人も残念がっているようで、球団を通じ「沖縄の遠征は以前から楽しみにしていたけど、チームドクターと相談した上で、今回は帯同を見合わせることを決断した。チームから離れることになり、チームメイトとファンの皆には申し訳ないが、11日からのヤクルト戦で万全の状態で臨めるように、しっかりと横浜で準備したい」とコメントしている。