東京電力で、2014年4月にサポートが終了している米マイクロソフトの基本ソフト「Windows XP」を搭載したパソコンを、いまだに使用し続けていることがわかった。しかも、なかには外部と接続していたパソコンもあったという。
Windows XPを使い続けると、何かセキュリティホール(欠陥)が見つかったとしても新しい修正プログラムが提供されないことから穴埋めできず、サイバー攻撃を受ける可能性が高まる。政府は東電など重要インフラ事業者にXPの更新を求めていた。
東電の「XPパソコン」、4万8000台
東京電力が使っている、Windows XP搭載のパソコンは、約4万8000台。全体のパソコン台数や更新しない理由、今後の更新スケジュールなどについて、東電は「セキュリティ確保の観点から詳細は差し控えたい」と話している。
読売新聞(2014年7月6日付)は関係者の証言として、東電は約4万8000台のXPについて更新を始める2018~19年まで使用する計画で、この間にインターネットで外部に接続して使うパソコンもあるとしている。
東電は、「現在もWindows XPを利用しているパソコンは残存しておりますが、計画を前倒し、新OSへの更新作業を進めているところです」と、XPを使っていることを認めた。そのうえで、「これまでに社内ネットワークやパソコンに対して各種の技術的対策を講じるとともに、グループ会社も含めた全社員への注意喚起を随時行っています」とコメントした。
これに対してインターネットでは、
「信じられない。ここに穴があいてますよ、って世界に宣言しとるようなもんやん。リスクへの意識がこんなんだから原発のリスク対策もできてへんかったんやんって思ってしまうよね」
「おいおい、東電さんよ… 責任感あるの? ただでさえ色々と値上げしたりとやりたい放題なのになんだかなぁ」
「東電の経営陣の才能ってどれくらいなの? 危機管理意識が欠落してますね」
と、原発問題や電気料金の値上がりにからんで、東電への批判的な声が多数寄せられている。
電力供給の懸念にも、東電は「電力供給に関する基幹設備の制御システムは、外部のネットワークから切り離された独立したシステムのため、影響はありません」としている。
中小企業の3割超に「不安」
「Windows XP」を使用している企業は、なにも東京電力ばかりではない。信金中央金庫の地域・中小企業研究所の調査によると、「Windows XP」をまだ使っている中中小企業は23.9%だった(2014年6月2~6日調査、全国267信用金庫の取引先で、従業員300人未満の中小企業1万4430社が回答)。
すでに切り替えを終えていたり、もともと使っていなかったりした企業をあわせた、「使用していない」は65.1%。また、従業員が10人未満の小規模企業では、そもそも自社で使っているパソコンの状況を把握していない企業もあって、11.0%が「わからない」と回答。「まだ使用している」とあわせると、3割を超える企業で不安が残る結果となった。
信金中金は、「事業規模の比較的大きな企業ほど、(XPを)使っているケースが多いようです。もともとの台数が多いので、一度に全部を切り替えられずに残っているようです」という。
というのも、XPを「使っている」理由をみると、「業務繁忙のため(買換え予定)」と答えた企業は14.6%を占めており、いずれは買い換える予定がありながらも、調査時点では対応できない企業が多かったようすがうかがえるからだ。
「インターネットに接続しないため買換え不要」とする企業は2.9%、「システムや周辺機器がXP しか対応できない」が2.7%、「資金不足」が2.2%と続いた。
切り替えが進まない事情はさまざまあるのだろうが、インターネットでは、
「別に昔の製品を使っちゃダメという法は無いだろ」
「ネットに繋がなければ何の問題もない」
といった声にまじって、
「一部上場企業だがまだ使ってるw」
「XPだが、なにかwww」
「企業がXPを切り替えるのはセキュリティ(の問題)じゃありません。世間体です。うちも営業マン用はすぐに買い換えましたけど、社内はまだまだXP」
と、XPを使っている企業に勤めている人からのカキコミもある。
もちろん、
「はやくwindows8に切り替えろー!!! 」
という、社員の叫びもみられる。