野々村竜太郎兵庫県議(47)の政務活動費問題で、切手代に1年間で約176万円をも目的を明かさず支出していたことなどが新たに分かった。こうした支出が本当に政治活動に使われていたのか、といった疑惑が出ている。
号泣会見の後、マスコミの取材を拒否している野々村竜太郎議員だが、その後も次々に不自然な支出が報じられている。
通常は、一括支払いの料金後納郵便などを使う
政務活動費の収支報告書では、2013年度に切手代だけで135回にわたって支出されていたが、計約176万円分に使い道の記載はなかった。主に神戸市内と大阪市内の金券ショップで購入され、領収書が添付されていたものの、そこにはあて名と購入品目は書かれていなかった。
兵庫県議会事務局の総務課によると、議員によっては、地元貢献を考えて、郵便局以外で切手を購入するケースもある。経費を抑えるために、金券ショップで買うこともありえるという。しかし、これだけ切手を大量に使うのは、議員による県政報告ぐらいしか考えられず、通常は、切手を貼るのが大変なため、一括支払いの料金後納郵便などを使うそうだ。
ところが、同僚の丸尾牧議員がテレビのインタビューで語ったところでは、野々村議員の県政報告があるのを見たことがなく、作っている様子もなかった。野々村議員の切手購入などについては、2年前から疑問を感じていたともいう。丸尾議員は、領収書だけでは、不正がない証明にはならず、「購入をして別に換金してっていうこともまま起こりうる」と指摘している。
兵庫県議の経験もある井戸正枝前衆院議員は、自らのブログでこの問題を取り上げ、野々村議員が一枚一枚切手を貼っていた可能性はあるものの、大量の切手を金券ショップで現金化することが容易に想像できるとした。この場合、「架空の領収書」を懇意にしているところから出してもらうことも、不正の手段としてありうるとも言っている。