大豆農家は「売り惜しみ」に走る
これにデフォルトが加われば、アルゼンチン国内金融市場の混乱が、貿易など経済的結びつきの強いブラジルなど近隣諸国にも及び、新興国からの資金引き揚げを招くなど動揺が広がりかねない。特に、アルゼンチンが穀物輸出国であることが懸念材料だ。ロイター通信の報道(6月30日)によると、同国の大豆農家は既に、インフレに対応して大豆の売りを控えており、デフォルトが回避できなかった場合、さらに売り惜しみに走るとみられ、世界市場への大豆供給が減り、「中国を中心に需要が増加している中で、大豆および大豆ミールの国際価格の上昇圧力になる」と指摘。この点からも新興国の経済成長の足を引っぱる可能性があるという。
こうした混乱が広がれば、結果として「安全な資産」として国際金融市場で円が買われ、「円高に振れる恐れがある」(エコノミスト)だけに、日本も「対岸(地球の裏側)の火事」と無関心ではいられない。