役員報酬12億9200万円、ゴーン社長抜きトップ 「キョウデン」橋本氏とは何者か

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   2014年3月期に1億円以上の報酬を受け取った役員がいる上場企業は、189社、359人で、企業の好業績を反映して、有価証券報告書への記載が義務付けられた2010年3月期以降、最多となった。

   東京商工リサーチの調べによるもので、報酬額のトップは、キョウデンの橋本浩最高顧問の12億9200万円。13年の役員報酬額のトップだった日産自動車のカルロス・ゴーン社長を追い抜いてしまった。

かつては企業再生事業を手がけていた

キョウデンの創業者、橋本浩氏が役員報酬でトップに!(画像は、キョウデンのホームページ)
キョウデンの創業者、橋本浩氏が役員報酬でトップに!(画像は、キョウデンのホームページ)

   橋本氏は、役員報酬の歴代ランキングでも、12年3月期にカシオ計算機の樫尾俊雄氏が受け取った13億3300万円に次ぐ、第2位となった。

   とはいえ、あまり聞きなれない「キョウデン」なる会社の創業者が、12億9200万円もの役員報酬を受け取ったというのは驚きだ。いったい、どんな会社で、橋本浩氏とはどんな人物なのだろうか。

   キョウデンは、橋本氏が地元・長野で立ち上げたプリント基板の設計・製造などを手がける会社。東京証券取引所第2部に上場する。現在、社長は山口鐘畿氏。2014年3月期の売上高は412億5800万円、最終利益は4億3800万円だった。「イメージをカタチに」「可能性を製品に」を掲げ、グラスファイバー事業や耐火物事業、工業材料事業なども国内外で展開する。

   橋本氏は主力のプリント基板製造の傍ら、企業再生事業に乗り出し、パソコンメーカーのソーテックや、九九プラスの第三者割当増資を引き受けたり、大手スーパーの長崎屋の事業再生も手がけたりして話題になった。また、石川県のテーマパーク「加賀百万石時代村」の跡地を買収し、「日本元気劇場」として再生させた実績もある。

   いずれにしても、キョウデンを創業して成長させた立役者であることは間違いない。

ライブ活動に汗をかくミュージシャンの顔も

   じつは企業家でありながら、「橋本ひろし」としてシンガーソングライターとして活躍。ライブ活動に汗をかくミュージシャンの顔ももつ。「キョウデン」の名前も「きょうから電気屋」から付けたというから、ユーモアのセンスもあるようだ。

   なお、東京商工リサーチの調べによると、13年3月期と14年3月期で連続して報酬が開示された役員は224人で、うち160人が13年に比べて報酬額が増えた。また、14年3月期に新たに開示に加わった人数は135人。また、5年連続で個別開示された役員は119人だった。

   橋本氏に次いで、カシオ計算機の創業家一族、樫尾和雄社長が12億3300万円。樫尾幸雄特別顧問が10億8,300万円。武田製薬工業のフランク・モリッヒ取締役の10億1600万円が10億円を超えている。毎年、高額報酬で話題となる日産自動車のカルロス・ゴーン社長は9億9500万円だった。

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