世界陸上・男子400メートルハードルで2つの銅メダルを獲得した為末大さんのツイートが、また論議を呼んでいる。
グループリーグ敗退のサッカーW杯日本代表がサポーターから批判を浴びていることについて、「おそらくはほとんどの方の人生より今回の日本代表の選手達の方が、結果を出されているように思います」と発言したからだ。
意見交換が次第に険悪に
ことの発端は、2014年6月30日に為末さんがハフィントンポストのコラムで「サッカーの日本代表は責任を取るべきなのか」と問題提起したことだった。自身のツイッターでもコラムを紹介して、多くの意見が寄せられた。初めは「ぜひハフィントンポストにご意見をお寄せください」としていたが、「赤の他人を責めるときは、せめて作法として具体的にどんな迷惑を自分や社会が被ったかを説明する必要があると思う」など、次第に自らの考えを投稿するようになった。
「あなたの勝負が失敗した場合、私はあなたを責めてもいいのでしょうか?」「期待はずれだとなぜ批判していいのだと思いますか?具体的なあなたの考える理由は何ですか」とフォロワーたちに積極的に問いかけ、意見交換を始めた。
しかし7月1日、批判された方が選手の成長につながるという意見に、「サッカーの日本代表が成長する事とあなたの人生はどう関係があるのでしょうか」と返したあたりから険悪な雰囲気が漂い出した。さらに「結果出してからいえぼけ」というツイートに、「言いにくい事ですが、人生の結果からいえばおそらくはほとんどの方の人生より今回の日本代表の選手達の方が、結果を出されているように思います」と語り、大反発を食らってしまった。
「皆さん発言は平等」と釈明
為末さんの発言はツイッターにとどまらず、2ちゃんねるなどネット上に拡散。「為末さんの発言は毎日を必死に生きるサラリーマンとして非常に残念に思いました」「アスリートってそんなに偉いんですか?この言い方だとほとんどの一般人はアスリートよりも下の階級として扱われているようで不快です」「一般人の人生バカにしてんの?」など、批判が相次いだ。
これに対して、為末さんは、「僕はスポーツをやっていてもそうじゃなくても成功してもそうでなくても皆さん発言は平等だと思うので、結果を出してから言えというのには反対です」と釈明した。もともと為末さんは「どう考えるか、どういう理屈を組み立てるか、をやりたい」「こんなに面白い題材なんだからもっと考えませんか」と、代表に批判が集まることを議論したかった様子だった。
しかし、「人生の結果」とは何かを聞かれると、「目標に対しての達成度では無いでしょうか?」と曖昧に回答。議論は時間の経過とともに下火になる一方、為末さんの発言ばかりに注目が集まるようになった。本人は「来週は批判は許されるという側から考えますので、是非そういったご意見を」と述べ、まだ議論を続けたいようだ。