中国の習近平国家主席と韓国の朴槿恵が2014年7月3日に行った首脳会談は、中韓の蜜月ぶりを強く印象付けることになった。日本にとって懸案の歴史問題については、中国国内向けには強硬姿勢をアピールしたものの、記者会見や共同声明では「スルー」され、付属文書にわずかに書き込まれただけだった。
これが「『日本たたき』抑制」なのか「中韓共闘」なのか、日本メディアでも受け止め方が割れている。
慰安婦問題では「関連資料の共同研究、コピーおよび相互寄贈」で協力
中国中央テレビ(CCTV)や新華社通信といった中国国営メディアは、2015年は中国の抗日戦争勝利と韓国の植民地支配解放から70周年にあたるとして、習主席が会談で「記念活動」の共同開催に意欲を示したことを報じている。
だが、記者会見では歴史問題は触れられず、共同文書にも盛り込まれなかった。付属文書にある、
「双方は、『慰安婦』問題に関連する資料の共同研究、コピーおよび相互寄贈などで協力していくことで合意した」
という表現が目を引く程度だ。この「さじ加減」にどのような意図が込められているのか、各紙で分析がバラバラなのだ。