「トクホ」でも臨床試験は必要
インターネット上では「食べるだけでお金がもらえる」などと話題になっているが、食べ物の謝礼金付き臨床試験はさほど珍しくない。特定保健用食品(トクホ)も医薬品同様に、ヒト試験などで科学的効果や安全性を実証しなければ許可されないからだ。今回のクッキーもトクホの可能性が強い。
トクホの試験は、医薬品の治験と比べてリスクが少ない。しかし、いくつかの治験情報サイトを見比べてみると、謝礼金も少ない傾向にあるようだ。また国の許可を受けなくていい健康食品や、化粧品などでも試験は行われ、謝礼金が支払われることがある。
なお今回の「クッキー試験」は、厳密に言えば「アルバイト」ではなく「ボランティア」だ。治験や臨床試験は拘束時間などに応じて「負担軽減費」が出るが、これはあくまで時間的拘束や交通費などの経済的負担への対価だ。給与ではないため税金は天引きされておらず、金額によっては確定申告が必要になる。
それでも短期間でまとまった金額が手に入ることから、一定の需要はあるようだ。「クッキー試験」の説明文には「人気の試験なのですぐに定員に達する可能性がございます」と書かれていた。すでに今回は定員に達したらしく、7月4日正午までに募集が締め切られている。