政務活動費の不明朗支出の指摘を受けた野々村竜太郎兵庫県議(47)による異例の「号泣」釈明会見に、相変わらず世間の注目が集まっている。とりわけ強い関心を示しているのがお笑い芸人たちだ。
その「実力」は多くが認めているようで、中には「笑いのお手本」と高く評価したり「売れる」と太鼓判を押したりする人も。まるでお笑い界のホープのような扱いだ。
桂春蝶「この狂気を演じてできるなら最高の芸人」
2014年7月1日の記者会見後、ツイッターでは野々村県議について触れるお笑い芸人が相次いだ。陣内智則さんは2日、ツイッターで「兵庫県議員の会見、ニュースで観る度、笑ってまう。。同じ兵庫県民としてお恥ずかしいです!が…笑ってまう。。あかん!笑てまう。。」とつぶやいた。どうやら相当ツボに入ってしまったらしい。
ここ一番のネタだとして「乗っかる」芸人も出た。キングコングの西野亮廣さんは3日、両手を耳の後ろにやって記者の質問に耳を傾ける野々村県議の画像を引用して「え?チェブラーシカ(編注:大きな耳が特徴的なロシア発の人気キャラクター)知らないの?こんなヤツ」とボケてみせた。ネット上で「似ている」と指摘されていたアンガールズの田中卓志さんに至っては3日放送の「バイキング」(フジテレビ系)内で即席のモノマネを披露し、同日のブログでは「号泣写真」まで公開した。
野々村県議の衝撃会見は「笑い」の観点からみると、プロでも唸るほどの「出来栄え」だったようだ。
落語家の桂春蝶さんは2日、「これは舞台に出てる人のみ共有できる感覚なのかもしれませんが。これぞ『笑い』です。笑いのお手本はここにあります。この狂気を演じてできるなら最高の芸人です。嫉妬しちゃいます。こんな風になりたい」と、憧れの念さえ抱いたことをブログで打ち明けた。
おぎやはぎの2人も3日深夜放送のラジオ番組「おぎやはぎのメガネびいき」で冒頭から会見に触れ、矢作兼さんが「ズルいよ。こんなの」とぼやくと、小木博明さんも「ズルいよねこの人、ほんとに。これ売れるぞ~」と羨んだ。その後も会見の話で一しきり盛り上がり、「(会見を)もう1回くらいやってほしいもんね。まだ見れるよ。大したもんだ…」と最後まで感心しきりだった。
サンジャポ出演も夢じゃない!?
同じく3日深夜放送の「ナインティナインのオールナイトニッポン」(日本テレビ系)では、ナインティナインの2人が「新ヒーロー」「テレビを面白くする救世主」と絶賛。岡村隆史さんの口から「NSC(編注:吉本興業の新人養成所)の教材にしてもエエんちゃうかなっていうくらいの」との意見まで飛び出した。
野々村県議は会見冒頭、記者陣に対して「何卒、平常心を持って質問をしていただきますよう、お願い申し上げます」と伝えたが、時が経つにつれ自らが平常心を失うこととなった。
これについて岡村さんは
「『平常心を持って、みなさん質問してください』って言ってるにもかかわらず、自分が平常心を失って、ボロボロなっていくっていう。教科書どおりの振って落とす、みたいな。そんなのが自然にしっかりできてもうてるんですね、自然に」
と評価した。
また、発言内容だけでなく会見中の仕草も印象に残ったようで、「ビジュアルも最高やん。質問されてる時にこうやって両手を耳に添えてるなんて、どういう試みなのか」「たまに水飲むとき(コップを)隠したり。『チェ・ジウ飲み』っていうんですけど、チェ・ジウの飲み方しはるんですよ。おもっしろいわぁ」と褒めあげる。
これほどインパクトを与える人材はなかなか久々だとして、
「こんな人出てくるから新しいお笑いの人が出て来られへんようになんねんって。この人、もしアカンようになって(議員を)辞めたりとかしても、『サンジャポ(編注:サンデー・ジャポン)』とかに呼ばれるで」
と、タレントとしての可能性にも言及した。
一方、インターネット上には野々村県議に対する厳しい意見も多くあり、市民からは県議会や県庁に抗議が殺到しているという。お笑いタレントのほっしゃん。さんも不快感を抱いたようで、7月2日のツイートで「こやつ、大丈夫か?(呆)温泉入りまくって のぼせて、会見でのぼせまくって(笑)ええ年して"泣いたら済む"って思とるヤツ久しぶりに見たわ。…まぁ、済まんやろけどな」とあきれ果てていた。