地域政党はバラバラに
しかしそこでさらなる誤算が待ち構える。維新内で共同代表を務める石原慎太郎氏と橋下徹氏との修復不可能な対立だ。奇しくも名古屋駅前のホテルで会談を重ねた2人の共同代表は5月末、党を分かつ決断に至る。河村氏にとっては一橋大の大先輩であり長く親交のあった石原氏の方にシンパシーがあった。実際、今年に入っても東京・永田町で河村、石原両氏が会談する場面が複数回、目撃されている。
しかし、合流を目指した維新・結い新党に石原氏の姿はなくなってしまった。「橋下維新」はそもそも河村氏の掲げる減税政策に否定的。合流しても党名に「減税」が残る保証はない。
ことここに至って行き詰まった河村氏。最後は支援者に背中を押される形で減税単独で統一選に臨む道を選択した。結果的には東京、大阪、名古屋の地域政党がバラバラになったとも言える。河村氏率いる減税が統一選でどこまで支持を得られるか。脂が乗っているとはいえ決して若くはないだけに、まさに正念場を迎える。