河村たかし名古屋市長はどこへ行く 維新への合流を断念、単独の闘いへ

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   地域政党「減税日本」代表の河村たかし名古屋市長は2014年6月、「日本維新の会」「結いの党」による新党への合流を断念する意向を表明した。

   来春の統一地方選を控えて新たな非自民勢力の結集を模索してきたが、仮に合流できても「減税」が核にならないことなどから、河村氏の支援者の間で反対意見も根強く、単独で統一選に臨むことにした。かつて首相を目指した野心あふれる政治家・河村氏はどこへ行くのか。

地元では圧倒的な人気

   中部地方で圧倒的なシェアを誇る中日新聞が朝刊1面で「河村氏、維新と合流せず」の見出しで報じたのが6月20日。その日、朝から詰め寄るメディア各社を前に河村氏は「原点に立ち戻って単独で頑張る」と述べ、維新・結いによる新党への合流を断念することを表明した。河村氏が自らの有力支援者十数人にヒアリングしたところ、「減税日本」として統一地方選を戦うべきだ、との意見がほとんどだったことが決め手になったという。

   ここで河村氏がどういう政治家か簡単に振り返っておこう。世襲でも官僚出身でもない「庶民政治家」を掲げ、1993年に衆院旧愛知1区(中選挙区)で初当選。以来、衆院5期。名古屋市長に転じ、3選。国会での議論を含めて常に名古屋弁で通し、自転車を使った選挙運動や「報酬800万円市長」といったパフォーマンスで高い人気を保持し、現在65歳と政治家としては脂が乗っている。

   「独善的」との批判もあるが、今も名古屋市民からの支持は絶大で、恐らく大阪市における橋下徹市長の人気を超えている。名古屋の誰に聞いても「河村さんが選挙に落ちることは考えられない」との答えが返ってくる。

   ただ、河村氏の足元は少しぐらついていた。減税日本を立ち上げたものの、グループの名古屋市議が政務調査費を不正受給したり、当て逃げ事件を起こすなどの不祥事が相次いだ。減税時代に議長を務め、任期1年の慣例に従わず続投しようとして減税を除名された市議が結いに入党したことも誤算だった。もし維新・結い新党に減税が合流すれば、減税除籍者と同じ党として選挙を戦わねばならないことになるからだ。それでも河村氏は不祥事の傷を負った減税のイメージダウンを払拭する意味もあって維新・結いへの合流を目指した。

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