「通行を妨げているのは、制服の皆さんなんです」
デモ隊が元の場所に戻った後でも、山本太郎議員は、その場で警察側と話し合いを続けた。
警察官が「あっちもこっちも人で、車も通れなくなっちゃうんです」と説明すると、山本議員は、「それだけの人、集まってますよね。数万人規模で集まっていれば、狭くなっちゃう」と認めた。しかし、「一車線、このデモのために渡してもいいんじゃないですか」と一歩も引かなかった。
さらに、警察側が「緊急車両も通れないんですよ」「一般の人も通れるようにしないと」と言うと、山本議員は、こう断言した。
「通行を妨げているのは、制服の皆さんなんです。官邸の壁だけ見てデモをやれというのは、あまりにもおかしい。僕もお願いしたいんです」
その後も、デモ隊の前でマイクを取り、「警察の皆さん、押さないで下さい。非常に危険な状況です。お仕事なのは分かりますが、さきほどの場所に戻して下さい」「青い(制服の)7人、どきなさい! 人が圧迫されています」と叫んでいた。
山本議員の抗議行動について、ネット上では、「市民を庇って警察を静まらせてくれた太郎さん、本当に素敵です!」「警察がこんなことするなんておかしいでしょ…」と共感の声はあった。一方で、「山本太郎氏が『強制排除だ』と妨害していた!」「警察は任務遂行してるだけですが」といった疑問の声も多かった。
山本議員の国会事務所に取材すると、現場の状況が分かる人がいないので、なんとも答えられないとのことだった。警視庁の広報課では、「発表事案ではないので、お答えできません」とだけ話している。