拉致調査は「かつてない体制」 「生存者『ゼロ回答』あり得ない」の見方強まる

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   北朝鮮による拉致被害者や行方不明者に関する特別調査委員会が2014年7月4日に立ち上がることになり、安倍首相は7月3日、全面調査が開始される時点で日本が独自に北朝鮮に行っている制裁の一部を解除する方針を発表した。

   拉致被害者に関する本格的な調査は04年以来10年ぶり。今回の調査委員会は04年と比べて大幅に権限が強化されており、「04年と同じ『ゼロ回答』はあり得ない」との見方が支配的だ。日本政府は否定しているが、北朝鮮が交渉過程で生存者リストを提示し、リストには「2桁の人数」が掲載されているという情報もある。

「国家的な決断・意志決定をできる組織が前面に」

   安倍首相は7月3日午前のぶら下がり取材で、

「日朝交渉の結果、拉致問題を含め、すべての日本人に対する調査が国防委員会、国家安全保衛部といった、国家的な決断・意志決定をできる組織が前面に出る、かつてない体制ができたと判断した」

と制裁の一部解除に踏み切る理由を説明。正式には7月4日の閣議決定で決まる。

   では、安倍首相が言う「かつてない体制」とはどのようなものか。菅義偉官房長官の説明によると、特別調査委員会には国家安全保衛部(秘密警察、情報機関)、人民保安部(一般警察)といった機関から30人程度が集められる。

   委員長はソ・テハ国防委員会安全担当参事兼国家安全保衛部副部長が務め、副委員長はキム・ミョンチョル国家安全保衛部参事とパク・ヨンシク人民保安部局長の2人が務める。拉致被害者、行方不明者、日本人遺骨問題、残留日本人・日本人配偶者の4つの分科会が並行して調査を行い、調査結果の第1報は14年夏の終わり~秋の初め頃に日本側に伝えられることになっている。

   「ゼロ回答」だった04年の調査は、人民保安省(現・人民保安部)の捜査担当局長がトップだったが「拉致は特殊機関が行ったため、調査に限界があった」などと釈明していた。日本側からすれば、同様の過ちを繰り返してはならないという決意があったはずで、この人事は「北朝鮮との協議の中で決まった」(菅氏)という。日本側の要求も相当程度受け入れられたようだ。

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