イチロー約2億円で売りに出されていた 「ハッカー」の仕業で極秘文書流出、トレード話発覚

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   米大リーグのニューヨーク・ヤンキースが450万ドルも肩代わりする形で、イチロー外野手(40)のトレードを画策していたことが思いもよらぬ形で発覚した。トレード情報を記したヒューストン・アストロズの「極秘文書」が2014年5月、インターネット上に流出したのだ。

   アストロズ側は漏れた情報のすべてが正確というわけではないとしているが、情報の信ぴょう性は高そうだ。

他球団との交渉メモや会話がネット上に

ネット上に公開されてしまったアストロズの「極秘文書」
ネット上に公開されてしまったアストロズの「極秘文書」

   極秘文書は、匿名で投稿できるデータ共有サイト「ANONBIN」上に公開された。何者かにより、アストロズのフロント陣が使用していたオンラインデータベース「グランド・コントロール」がハッキングされた模様で、13年6月から14年3月までの10か月間にわたるトレード情報が漏えい。他球団との間で交わしていたトレードに関する交渉メモや会話などが明るみに出てしまった。

   6月30日に米複数メディアが相次ぎ報じると、同日にはアストロズが公式サイトに公式声明を掲載し、情報漏えいを認めた。ジェフ・ルノーゼネラルマネージャー(GM)は「非常に不幸で残念なことだ」とコメントするとともに、大リーグ機構を通じて連邦捜査局(FBI)に捜査依頼をしていることも発表した。

   文書の中には、イチロー選手のトレード情報も含まれていた。

   実際にANONBINに出ている情報を見てみると、

「2014年年3月18日。ビリー・エプラー(ヤンキースGM補佐)がDS(アストロズGM補佐のデービッド・スターンズ)に、まだイチローのトレードを画策していると言ってきた。200万ドルなら喜んで応じるようだ」

と記されている。

   イチロー選手の推定年俸は650万ドル(約6億5000万円)。つまり、ヤンキース側は450万ドル(約4億5000万円)を負担する形で、アストロズに200万ドル(約2億円)での獲得を打診していたこととなる。結局は破断となったようだが、ヤンキースは年俸の約7割を肩代わりしてまでトレード放出に乗り出そうとしていたようだ。

有名スポーツジャーナリスト「複数幹部から確証得た」

   ルノーGMは公式サイト上のコメントで「流出した情報の一部はトレードに関する会話に基づいたものと思われるが、一部は脚色されたか、完全に捏造されたものだ」と説明している。情報のすべてが正確というわけではないということらしい。

   だが、米ヤフースポーツ電子版のスポーツジャーナリスト、ジェフ・パッサン氏は30日、自身のツイッターで「複数のメジャーリーグ幹部がハッキングされたトレード交渉内容の確実性を認めた」と報告している。すでに実現したトレードも流出情報に含まれていた。

   イチロー選手のトレードについても、本物である可能性が高いようだ。イチロー選手は12年7月にヤンキースに移籍し、同年12月には2年1300万ドルでヤンキースと再契約した。しかし翌年12月には、トレードのうわさが流れた。14年3月の公式戦開幕前にはトレード報道も増え、デトロイト・タイガースやフィラデルフィア・フィリーズの名前も挙がっていた。

   流出した「交渉メモ」もまさにこの時期のもので、当時の報道ではヤンキース側の「適正なトレード相手が見つかれば年俸の一部を負担する」との考えも報じられていた。また、イチロー選手は外野の5番手だったことも考慮すると、信ぴょう性は極めて高い。

   なお、イチロー選手はこの件について聞かれると「今、そのことについて話をするのはいいことではない」と通訳を介してコメントしたと、地元紙のスターレジャー紙(電子版)が7月1日に報じている。

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