財政難を指摘する声あるも、「別問題」と否定
実際、鎌倉市は、財政難のため、2013年度に地方交付税の交付団体に転落している。財政課によると、鎌倉では、寺社は多いものの企業は少なく、個人からの税収が多くを占めているが、最近は高額所得者の退職などで税収も落ち込んでいる。さらに、生活保護などの社会保障費がかさんでいることから、財政を圧迫しているというのだ。
市では、由比ガ浜の命名権を売るなど財政再建を進めているが、観光集客につながる世界遺産登録に失敗したため、今後の財政見通しも厳しいようだ。もっとも、職員の給与水準については、日経の調査によると、09年度に全国の市町村でトップの平均年収797万円になり、現在でも高水準が続いている。
財政難などから水際作戦をしたかについて、市の生活福祉課では、「財政難とは別の問題であり、生活保護の申請に来てほしくないという意図もありません」と全面的に否定した。POSSEが申請の条件としていると指摘したことについては、「そんな条件はないです。しかし、正しく理解されない説明があり、申し訳なかったと思っています」と話した。
ついたてについては、12年度に職員を3人増やし、執務スペースが窓口近くにまでなったため、秘密保持のために置いたと説明した。しかし、批判が相次いだため、配慮が足りなかったとして撤去したという。ついたては、現在は倉庫に保管してあり、秘密保持については今後検討すると言っている。