記者からも「世論調査が恣意的に使われているのではないかという懸念」
こう見ていくと、メディア各社は世論調査を社論を補強するための道具に使っているとの指摘も出そうだ。実際、6月30日の会見では、テレビ朝日の記者が
「端的に言えば、集団的自衛権に反対したいメディアは賛成か反対かで(選択肢を)分けて、『反対の方が多い』。賛成したいメディアは、その(選択肢の)間に『限定』と入れて『賛成の方が多い』。世論調査が恣意的に使われているのではないかという懸念もある」
と質問している。菅官房長官は、
「政府としてコメントすることは控えたいと思う」
と苦笑いしていた。
7月1日夕方の会見では、安倍首相は
「米国が(日本人を)救助、輸送しているとき、日本近海において、攻撃を受けるかもしれない。我が国自身への攻撃ではない。しかしそれでも、日本人の命を守るため自衛隊が米国の船を守る。それをできるようにするのが今回の閣議決定」
「万全の備えをすることこそが、日本に戦争をしかけようとする企みをくじく、大きな力を持っている。これが抑止力」
などと、5月15日に使用したパネルを再び持ち出して閣議決定の正当性を強調。だが、自民党の村上誠一郎元行政改革担当相は、同日朝に行われた総務会で閣議決定に反対意見を述べるなど、足元ですら完全にはまとまっていない状況だ。同日19時時点でも官邸前では大規模なデモが続いており、反対意見が目立つ形になっている。