「仕事を忘れてリフレッシュ」の発想はない?
こうしたことが、どこまで本当かは分からない。しかし、ワタミが社内に設置した有識者委員会では2014年1月、「所定労働時間を超える長時間労働が存在する」などと報告していた。60店舗を減らすのは、労働環境を改善するのが目的だった。
しかし、渡邉美樹氏は、ブラック企業を事実とは認めていないようだ。労働環境改善のための赤字にも、厳しい姿勢を示している。
フェイスブックで6月29日、「一度遅刻をした人を許すことが出来るのは『たまたまだった』と相手を信じてあげられるからです」として、「今回のワタミの赤字は、絶対にその一回の遅刻と同じでなければいけません」と述べたのだ。「毎回遅刻する人は信用を失います、毎回赤字を出す企業はそれ以上です」とも言っている。
「365日24時間死ぬまで働け」。こんなタイトルを掲げた社員向け理念集が明らかになり、ワタミは有識者委員会からの指摘を受けて改訂し、株主総会でも報告された。しかし、改訂後も「働くとは生きることそのものである」との表現になっており、生活の中心は仕事だと読むこともできる。そこには、「休みの日は、仕事のことを忘れてリフレッシュを」という発想はないらしい。