「中毒性草類」「脳壊香薬」「合成大麻」や「合成麻薬」
インターネット上では、「脱法ハーブ」の呼び名を変えて手を出しにくくすべきだと話題になった。例えば「中毒性草類」「脳壊香薬」「負け犬専用ハーブ」といった具合だ。英語圏で使われる「合成大麻」や「合成麻薬」を候補に挙げる人もいた。
2014年6月29日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)でも、このテーマが持ち上がった。番組に出演した歌手の泉谷しげるさんは「殺傷ハーブ」、また司会を務めるお笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんは「カッコ悪い、こんな風に言われたくない恥ずかしい呼び名」がふさわしいとして「『よだれくん』でええよ」と提案した。東京・池袋駅前で「脱法ハーブ」吸引後に車を暴走させ、歩行者を次々にはねて逮捕された男が、警官によって車から降ろされる際によだれを垂らしながら意識もうろうとしていた映像がテレビで繰り返し流された。松本さんは、薬物使用によりこのような情けない格好になるのだと指摘したかったのかもしれない。
今後、警察庁が新たな名称を本格的に募集するようだが、不安もある。いわゆる「振り込め詐欺」に関して、詐欺の手口が被害者に振り込ませる以外に多様化してきたことから警視庁が新名称を募集し、2013年5月に「母さん助けて詐欺」が最優秀作品に選ばれた。当時は話題になったが、1年たった今では、広くメディアで取り上げられているとは言えない。「脱法ハーブ」の呼び名を変更した場合、それを定着させるための広報活動も重要だ。