ツイッターでバカ写真や犯罪自慢を投稿する、いわゆる「バカッター」が社会問題になって約1年経つが、いまだにツイッターでの炎上騒動は後をたたない。
そんな中、「炎上を未然に防ぐ」サービスが登場した。「在校生や従業員のツイッターアカウントを割り出して、『見守る』」というもので、ツイッターユーザーは「監視怖え」「垢バレあり得る?」など戦々恐々としている。
日々の投稿を目視、「火種ツイート」に即座に対応
話題になっているサービスは、ソーシャルメディア・ソーシャルアプリ関連企業のガイアックス(東京・品川区)が2014年6月24日に発表した「セーフティプログラム for Twitter(tSP)」というものだ。
大学、高校をはじめとする学校法人や企業向けに、学生・生徒、従業員のツイッターアカウントを調査し、リスクのある投稿を人による目視で発見、対応を支援する。
「独自の検索システム」で学校・企業に所属するユーザーの調査を行ってリストアップ、発見したアカウント一覧と調査結果を提供する。学校・企業が特に必要と判断した場合、日々の投稿を確認、リスクのレベルとその内容を分析し、アカウントの利用実態と合わせてレポートする。
売りは「アカウント単位でのモニタリングを行うため、炎上前の火種となるリスク投稿の発見が早い」、「万が一、炎上が発生した場合の対応や対策までサポート」だそうだ。料金は1アカウント4000円/月で、初期調査には別途費用がかかる。
すでに問い合わせている学校や企業も
実名や学校、勤務先、住まいなど個人情報を公開していないユーザーは、ツイッターを会社や学校の上司、先輩、仲間を気にしなくてもよい「自由な発言の場」としてとらえている人が多いようで、このサービスに対し「監視システムクソ怖え」「これで垢バレ(編注:アカウントがバレること)とかあり得るのか?」「自分の会社がこのサービスを使わないことをひたすら祈る」など恐れるツイートが相次いで投稿されている。
サービスについてガイアックスに詳しく話を聞いた。
クライアントから依頼を受けたら、特定できたアカウントのURLを載せたリストを提出、その中でクライアントが、ツイート数、フォローフォロワー数が多く拡散力がありそうな人、また日常の言動が気になる人など「この人は注意した方がいい」と判断したユーザーを「見守る」。なおアカウントの特定方法は企業秘密とのことだ。
学生や従業員にこのサービスを利用している旨を伝えるかは「組織の考え方次第」で、事前に伝えることで炎上しそうなツイートを投稿しないように心がけるという「抑止力」につながると考える組織もあれば、特に通知せずに泳がせておいて、発見したら指導しようとする組織もあるだろう、という。
「火種」ツイートを発見した場合はすぐさま情報提供し、クライアントが当該の人物に指導、指示して修正や削除を促すことで、炎上が阻止できると考えている。
サービスの開始を発表した6月24日から25日にかけて、「詳しい話を聞きたい」という問い合わせが数件来ているそうだ。
なお、ガイアックスは14年5月、採用担当者と内定者を結ぶSNS「エアリーフレッシャーズ」を全面リニューアルした。内定者らがSNSを利用したり投稿したりする頻度、課題の提出期限、懇親会への参加度合いなどから辞退する可能性が高い人材を推定する「内定辞退予備軍発見」機能を追加し、こちらもネット上で「すげー機能w」「そんなことがわかる時代なのか!」などと話題になっていた。