恋愛における妄想は「恋愛のイメージトレーニング」
こうした「エア恋愛」について、『マンガde恋愛学』(飛鳥新社)、『結婚しないの?できないの?』(ディスカヴァー21社)などの著書があり、恋愛学の権威として知られる早稲田大学教養学部の森川友義教授(政治学)はこう分析している。
「恋愛における妄想はつまりは『恋愛のイメージトレーニング』で、人が日常的に行なっている行為です。恋愛のステージにおいて、人間が最も妄想力を働かせるのが"片想い"の時期です。"片想い"という行為自体が、本質的には妄想であるともいえます。 しかし、社会人になり年齢を重ねるとともに、日常の中で自然に片想いをする機会は減りそれに伴い恋愛の妄想をする機会も減ってしまうのです。
そこで、片想いのような役割を果たすのがエア恋愛です。小説やドラマやゲームなどのツールで擬似的に片想いのシチュエーションを妄想することで、常に恋愛のスイッチが入ったままの状態でいることができます。特に女性は身体の構造上、身体の周期により波があるため、男性に比べて恋愛のエンジンがかかりづらいといえます。しかし妄想をすることで自分を恋愛モードにしておくことができ、異性から発信される小さなサインにも気づけるようになるので、妄想は現実の恋愛の準備としても有効であるといえるでしょう」