「ショールーミング」が加速
iPhoneでもアプリや音楽などデジタルコンテンツを販売しているし、他社のスマホでも検索した商品をアマゾンのサイトから注文できる。しかし、アマゾンの強みは取り扱いがデジタルコンテンツだけでなく、食品や日用品など多岐にわたっており、ファイアフライ機能を使えば検索の手間が省けること。アップルとサムスンが二分するスマホ市場への新規参入は厳しい状況のはずだが、業界では「アマゾンはスマホ販売でわたりあうのではなく、サービス拡大が基本戦略」との見方が広がっている。
一方、米国でファイアに注目するのは携帯端末メーカーだけではない。アマゾンの登場によって消費者が店頭とサイトの価格を確認した上で、注文はネットでする「ショールーミング」という消費行動が世界中で起きている。ファイアフライの市場投入が、まさにこの流れを加速する可能性があり、小売業界の危機感は高まっている。
日本国内に目を転じれば、昨年はiPhoneにシェアを奪われ携帯事業から撤退する日本メーカーが相次いだ。ファイア日本で投入されれば、残ったメーカーはシェアがさらに奪われる可能性が高く、「社内の事業見直し機運が高まるかもしれない」と、アマゾンの動向を注視している。