グーグル「忘れられる権利」認め情報削除 「リベンジポルノ」も対象となるか

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日本からの削除要請は現段階では受け付けていない

   EU加盟国の英国の有力紙ガーディアン(電子版)には、グーグルによる「検閲」を疑う意見が書かれた。「グーグルのネット検閲が法的に認められた」「グーグルは自分たちの判断で、検索結果を事実上検閲できるようになった」という見方だ。これに対しては、「単にリンクを(検索結果から)削除するかどうかの話で、元となる情報は(ネットに)残る」と説明する人もいた。

   毎日新聞電子版2014年6月13日付の記事ではこの点について、「ネット検索で圧倒的な存在感をもつグーグルに、リンクを残すかどうかという判断を全面的に任せてしまっていいものか。ある種の『検閲』や、社会にとって必要な情報なのにアクセスできなくなる事態を招くのではないか、という懸念が残る」と指摘した。一方で、既に4万件を超える削除要請が届いているなか、すべてを司法手続きで処理するのは現実的とは言えないとしている。

   欧米のみならず日本でも、「忘れられる権利」は話題となってきた。今から2年前、2012年6月26日放送のNHK「クローズアップ現代」では、フランスの女性が過去に1度だけ撮影したヌード映像がネット上で無数に複製され、検索結果として表示されるため就職の妨げになっている事例を紹介。グーグルを相手取った訴訟で勝訴し、「忘れられる権利」が認められたという。

   日本国内では、勤務先に来店した芸能人の悪口をツイッターについ書き込んだところ大炎上し、実名や住所、出身校、家族構成をはじめ数々の写真が「特定」されてネット上で拡散、「さらし上げ」にあったうえに誹謗中傷の嵐に見舞われた人の例が挙げられた。いまもしばしば起きているケースだ。そして、第三者からのこうした誹謗中傷はネットに残されたままとなる。

   かつての交際男性がストーカー化し、交際当時に撮影した相手女性の裸の写真をネット上にばらまく「リベンジポルノ」も、「忘れられる権利」の対象となり得る。だがグーグルでは、日本からの削除要請は現段階では受け付けておらず、今後の課題として残っている。

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