財政危機にあるアルゼンチンが、英フィナンシャル・タイムズなど欧米の主要紙に異例の意見広告を掲載している。日本では朝日新聞の2014年6月25日付朝刊に、「アルゼンチン共和国 大統領府」として「アルゼンチンは債務返済を継続したいが、継続させてもらえない」と訴えている。
アルゼンチンは、2001年に国の債務(借金)を返せない「債務不履行(デフォルト)」に陥った。債権者の多くは元本のカットに同意し、利息を支払い続けてきたが、減額に応じなかった一部の債権者から格安で債権を買い取った投資ファンドが全額の支払いを求めて米ニューヨーク連邦地裁に提訴。地裁が6月16日にアルゼンチンに対して15億ドルを6月末までに支払うよう命じた。また、高裁は上告を棄却。これをきっかけにアルゼンチンは再びデフォルトに陥る可能性がある。
意見広告は、米投資ファンドとそれを支持した判決への抗議の内容。アルゼンチンが全額返済に応じれば再び財政危機に陥り、返済額を減らす「債務減額」に応じたほかの投資家への返済もできなくなる、と主張している。